本当にこれでいいのか?

塾長の松下です。

 

以前チャレンジテストの問題点について、このブログで書きましたが、このテストについて、本気で考え直さなければならない出来事がありました。

 

1月12日に、大阪の中学1,2年生を対象としたチャレンジテストが行われました。ほとんどの子どもや保護者の方は、このテストは内申点に大きな影響を与えるものだから、絶対に受けなくてはならないと思っているのではないでしょうか。確かに内申点に大きな影響を与えるのは事実ですが、それほど大切なテストを、全校生徒の約半数が受験しなかった中学校がいくつかあるというニュースが報道されました。

 

ではなぜ、このようなことが起きたのでしょうか。理由は簡単です。

テストを受けることで、内申点が不利になるからです。チャレンジテストというのは、欠点だらけなのです。

 

例を挙げてみましょう。中学2年生の生徒がいます。1学期や2学期の定期テストの英語の得点は70点以上で、平均点を大きく上回り、学校の評定は4をもらえていました。しかし、チャレンジテストでは、なぜかミスが多く、力を出せずに20点という結果になってしまいました。すると、この生徒の2年生における内申点は4ではなく、2に下げられることになるのです。極端な例ですが、たった1回のチャレンジテストの結果が悪ければ、1年間の学校の定期テストの結果が良くても、いい内申点がもらえないのです。

また、この生徒がチャレンジテストを欠席していたとすると、チャレンジテストの影響はありませんので、2年生における内申点は、4のままになるのです。この仕組みを知っていたら、受験をしないという選択をすることは、なんら不思議なことではないのです。

問題は、このような不十分な制度で子どもに受験をさせてしまっていること、詳しい説明を生徒や保護者にしていないことなのです。

 

同じ学力の生徒であっても、通っている中学校の学力の差で、内申点がちがってくることに関しては、私も以前から不満に感じていましたし、改善するように求めてきました。ですから、そのような不公平さをなくすためにテストを導入すること自体は反対ではないのです。しかし、現在の大阪の制度は、上記以外にもたくさんの欠点があり、不公平をなくすどころか逆に大きくなっているのです。

 

高校受験に内申点が必要かどうかは、いろんな議論があります。ただ現在の大阪の制度では、公立高校受験における内申点というものはとても大きな意味を持ちます。その内申点を、このようないい加減な制度で決められてしまっては、子どもたちがあまりにもかわいそうです。

今回の出来事がきっかけで、チャレンジテストについてもっと議論がなされて、1日でも早く改善されることを願います。

 

 

 

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